内山完造記念事業

内山完造とは

明治18年(1885)内山賢太郎の長男として生まれ、28歳のときに上海に渡って大正6年(1917)に上海内山書店を開きました。誠実闊達な人柄が中国人の心を捉え、魯迅(ろじん)・郭沫若(かくまつじゃく)などの文化人と親交を深めました。
日中関係のもっとも険悪・困難な時期に、上海を訪れる日本人の案内役をし、日本の作家たちと中国文学者との交流の場を提供しました。魯迅・郭沫若・郁達夫らとの交友を通じて真実と人道主義を追求し、日中両国の文化交流と友誼のために橋渡し役を果たしました。
戦後は日中友好・国交回復実現のために心血を注ぎ、先頭に立って活躍しました。
昭和34年(1959)中国人民対外文化協会の招きで訪問中に北京で74才の生涯を閉じ、上海に墓碑が建立されています。

内山完造と魯迅の関係

魯迅(1881–1936)は、中国近代文学の父と称される文学者・思想家・批評家です。彼は中国社会の矛盾や人々の精神的な目覚めを鋭く描き、近代中国の知識人や市民に大きな影響を与えました。

内山完造と魯迅の関係は、国籍や時代背景を超えた深い友情と精神的な絆によって結ばれていました。内山は、自身が経営する内山書店を通じて、魯迅の著作の出版や販売を支援するだけでなく、時には政治的な圧力から彼を守る役割も果たしました。

一方で魯迅も、内山に対して心から信頼を寄せており、書店をたびたび訪れては語らい、時にはその一室で執筆を行うこともありました。二人は単なる商業的な関係にとどまらず、**思想・文化・人間性において深く共鳴する「精神的な友人」**でした。

このような関係は、当時の困難な日中関係の中にあっても、個人同士の交流や理解がいかに重要であるかを示す象徴的なものであり、今日における日中友好の原点とも言える存在です。

内山完造生誕140周年記念事業

内山完造生誕140周年記念事業は、岡山市日中友好協会が2025年度の重点事業として計画している取り組みです。

・事業の目的

内山完造(1885–1959)は、岡山県井原市出身で、上海で「内山書店」を営み、中国の文豪・魯迅との深い友情を築いた人物です。彼の生誕140周年を機に、その功績と”互助互爱”の精神を広く伝え、日中友好の精神を次世代へ継承することを目的としています。

・主な事業内容(予定)

1.上海と岡山で展示会を開催:内山完造先生の生涯と功績を紹介

2.シンポジウム:日中友好の未来を考える

3.資料収集と修復:貴重な歴史資料を後世に残す

・ご参加、ご協力のお願い

本事業は、地域住民、教育機関、文化団体など多くの方々の参加と協力を歓迎しています。内山完造の精神を共有し、日中友好の架け橋となる活動にご関心のある方は、ぜひ岡山市日中友好協会までお問い合わせください。