今回のハルビン訪問の目的
2025年7月12日から15日まで、岡山市日中友好協会は「ハルビンの歴史と今を訪ねる訪問団」を結成し、中国・黒竜江省の省都ハルビンを訪れました。
この訪問の目的は、戦後80年の本年、かつて日本軍が展開した旧満州での侵略の歴史、とりわけ731部隊による人体実験での細菌兵器製造という未曽有の戦争犯罪に向き合い、正しく理解し語り継ぎ、これからの日中友好を考えることでした。
731陳列館や旧満州時代の遺構を訪ね、加害の歴史を学ぶ

- 731部隊陳列館の訪問
人体実験の犠牲者約3000人の名前が刻まれた展示や、証拠隠滅のため破壊された煙突跡などを見学。ハルビン市外事弁公室職員と陳列館の方々の案内のもと、陳列されたおびただしい戦争犯罪の事実を目の当たりにし、団員全員で献花・黙礼を捧げた。 - 安重根義士記念館(哈爾浜駅構内)
伊藤博文暗殺の現場に立ち会い、韓国・中国両国で義士と評される安重根の人生や思想に触れた。 - 旧満州時代の建築物見学
旧満鉄倶楽部や大和旅館など、かつての日本統治時代の遺構を見学し、ハルビンの近代史と日本との関わりを学んだ。 - 孔子廟(文廟)見学
中国の伝統的な教育文化に触れ、大学合格祈願の風習を知る機会となった。
ハルビンの今に触れ現地の方々と交流

- 黒龍江省外事弁公室との夕食会
現地の政府関係者と意見交換や自己紹介を通して、相互理解を深める交流の機会となった。 - 食文化体験
東北料理、春餅、火鍋、ロシア料理など、多様な食事を体験し、ハルビンならではの食文化を味わった。ハルビンビール(哈啤=ハッピイと発音)や、アイスクリームの天ぷらも印象的だった。 - 観光と街歩き
聖ソフィア大教堂、太陽島公園や虎園、中華バロック建築群、氷彫刻展示などを見学。中央大街では自由散策や買い物も楽しみ、現代のハルビンの生活や活気を体感した。
ハルビンで出会った人々の笑顔に感謝
今回のハルビン訪問を通して、私たちは歴史の重みを感じるとともに、今の日本の状況を顧みて、未来への希望をどのようにつないでいけばよいのか、深く考えさせられました。
そんな中、ハルビンで私たちを迎えていただいた731陳列館の金館長、黒竜江省人民政府外事弁公室の楊主任、敬処長、通訳ガイドの陳さんの温かい笑顔、中央大街の活気ある様子に触れることができたことはこれからの友好交流への希望となりました。
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